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特徴、見どころ
白と緑のコントラスト
現在、八代城跡は主に本丸にある八代神社として残っています。本丸には城の建物は存在していませんが、石垣や内堀がよい状態で残っています。この城はもともと海の近くに建てられたのですが、干拓が行われたため今では周辺に海は全く見えなくなっています。
城周辺の航空写真
市街地の方から城跡の方に近づいていくと、他の城や城跡とは異なる雰囲気があることに気がつかれるでしょう。八代城の石垣は、主に石灰岩を使って築かれているので、部分的に白い色をしているのです。日本の城では珍しい例です。もっとも築城から時を経て退色し、他の石と同じようになってしまっているので、きっと新築時点ではもっと白かったに違いありません。内堀の水は球磨川から引かれていますが、川の中に藻が繁茂しているため緑色に見えます。白と緑のコントラストは独特で且つ美しいです。
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本丸の張り出し桝形
本丸には入口が3つありますが、その内の2つが城があった時代からのもので、もう一つは神社が設立されてときに追加されました。正面(大手口)は東側で、裏門(搦手口)は北側となります。正面入口から入ろうとする場合、欄干橋を渡っていきます。この橋の擬宝珠の一つは当初からのもので、城が完成したときの年月(元和八年二月)が記されています。
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張り出している桝形の形も明瞭に残っていて、素晴らしい石垣に囲まれています。桝形の左側には磨(みがき)櫓の石垣台があり、背後と右側には食い違いの石垣が立っています。よって本丸に入るには真っすぐ入った後、右に曲がっていく必要があります。とても防御に優れた仕組みになっています。
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裏門の方も似たようなデザインになっています。
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際立っている天守台石垣
八代城跡のハイライトは、本丸北西隅にある天守台石垣でしょう。この天守台は2段造りで、それぞれ大天守用と小天守用となっています。両天守は、1672年の落雷により焼け落ちてしまいました。その後、小天守のみが再建されました。現在では天守台のみが残っています。内堀の外側から眺めてみると、なかなか壮観です。大天守の天守台は本丸の裏門をその右側から守る役目も担っていて、敵が簡単に攻め入れないようになっていました。
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2022年12月時点の情報となりますが、天守台の一部が崩れていて、残念ながら本丸の内側から天守台に登ってみることはできません。その代わりに、他の石垣の上に登って、そこで座ってゆっくりくつろぐことができます。そこから城の周りの様子もわかるので、城がどのように守られたのか理解できるでしょう。
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