16.箕輪城 その3

戦国時代の武将だとしたら、誰の生き方を選ぶでしょうか。

特徴、見どころ

大手道沿いに残る石垣

また、大手道を丘の西側から登っていくか、二の丸の方から下っていくこともできます。大手道は三の丸を通っていて、あちこちに現存する石垣を見ることができます。石垣を築いた井伊直政は、この道を通る人々に城主としての権威を示そうとしたのです。井伊氏は、後にもっと立派な石垣を使って彦根城を築くのですが、この時点では、彼らの持てるだけの力で箕輪城のこの石垣を築いたのです。

城周辺の地図

大手口
大手口近くの鍛冶曲輪に残る石垣
鍛冶曲輪から三の丸へ
三の丸の現存石垣
彦根城の石垣

その後

箕輪城跡は1987年に国の史跡に指定されました。その後、1998年から2006年の間、城跡を所有する高崎市が発掘作業を広範に実施しました。それ以来、市によって歴史公園として整備されています。

整備された郭馬出
大堀切を渡る土橋と石垣も整備されました
大堀切の底を通る通路

私の感想

長野業政やその一族が、主君や自らの領地を守るために一心に尽くす姿に感銘を受けました。しかしその一方で、小幡氏や真田氏のようにまるで違う生き方をした武将たちも存在したのです。もしあなたが戦国時代の武将だったとしたら、どの生き方を選ぶでしょうか。ついでながら、その武将たちの生き方を現在に例えるならば、長野氏の人生は長い間同じ会社で働く人、小幡氏の場合は転職を繰り返す人、真田氏は自ら事業を起こす人といった具合でしょうか。戦国時代の武将たちの生き方を学ぶことで、現在の自分自身の生き方にも参考になるのではないでしょうか。

長野業政木造、長純寺蔵(高崎市ホームページより引用)
「長篠合戦図屏風」に描かれた小幡信真、甘楽町歴史民俗資料館にて展示
真田幸隆の後継者で独立を目指した真田昌幸の肖像画、個人蔵 (licensed under Public Domain, via Wikimedia Commons)

ここに行くには

この城跡に行くのには、車を使われることをお勧めします。
関越自動車道の高崎ICか前橋ICから約30分かかります。城跡にいくつか駐車場があります。
公共交通機関を使う場合は、高崎駅から伊香保温泉行の群馬バスに乗り、城山入口バス停で降りてください。バス停から歩いて約5分のところです。
東京から高崎駅まで:上越新幹線に乗ってください。

搦手口の前にある駐車場
大手口近くの駐車場

リンク、参考情報

箕輪城跡(観光情報) 高崎市
・「箕輪城と長野氏/近藤義雄著」戒光祥出版
・「家康と家臣団の城/加藤理文著」角川選書

これで終わります。ありがとうございました。
「箕輪城その1」に戻ります。
「箕輪城その2」に戻ります。

141.郡上八幡城 その3

最古の木造再建天守

特徴、見どころ

松の丸、城の裏手

天守の他には、腰曲輪の上段にある通路を通って、松の丸に行ってみることもできます。そこには「凌霜隊(りょうそうたい)」の記念碑があります。この隊は、明治維新のとき、郡上藩が新政府を支持した際、脱藩しました。そして、若松城で新政府軍と戦っていた、幕府を支持する諸藩の軍に加わったのです。

腰曲輪上段(桜の丸と松の丸の間の通路)
腰曲輪上段を通って松の丸へ移動
松の丸の内部
凌霜隊の記念碑

頂上にある駐車場は、もとは城の背後にあった堀切の一つでした。そこでは、1600年の戦いにおいて激戦が展開されました。そこには井戸の跡があり、戦いで戦死した武士の首を洗った場所だと言われています。

頂上にある駐車場
「首洗い」井戸跡

その後

明治維新にしたがって郡上八幡城は廃城となり、全ての城の建物は撤去されました。1932年、当時の八幡町長であった仲上忠平(なかがみちゅうへい)は、町の活性化のために天守を再建することを提案しました。他の町民も賛成し、再建のための寄付が募られました。その再建天守は、その当時現存していた大垣城天守の外観を参考に建設されました。しかし、その大垣城の天守は1945年の大垣空襲により焼け落ちてしまうのです。また再建天守は、町から見上げた時にどのように見えるかということも考慮して建てられました。その再建が完成したのは1933年のことです。

大垣城の古写真、右側が天守 (licensed under Public Domain via Wikimedia Commons)
郡上八幡城の再建天守

私の感想

郡上八幡を訪れてみて、美しい城を街のシンボルとして築いた、その目的は十分達成されているように思いました。街のどこからでも天守のよき姿を望むことができるからです。そして、オリジナルの天守がそこにあろうとなかろうと、この城は街の人たちにとって今でもとても大切で、欠くべからざる存在なのだということがわかりました。

街から見える天守
腰曲輪の石垣
天守からの眺め

ここに行くには

車で行く場合は東海北陸自動車道の郡上八幡ICから約15分かかります。
公共交通機関を使う場合は、郡上八幡城下町プラザから歩いて約20分かかります。
東京か大阪から城下町プラザまで:東海道新幹線に乗り、名古屋駅で東海道線に乗り換え、岐阜駅で降ります。そして、岐阜バス高速八幡線に乗り、城下町プラザバス停で降りてください。

山麓にある駐車場
山の中腹にある駐車場

リンク、参考情報

郡上八幡城 日本最古の木造再建城
・「新 八幡城ものがたり(改訂版)」郡上市
・「よみがえる日本の城16」学研

これで終わります。ありがとうございました。
「郡上八幡城その1」に戻ります。
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122.Otaki Castle Part3

Otaki Town is promoting the castle with Tadakatsu Honda.

Later History

After the Meiji Restoration, Otaki Castle was abandoned and all the buildings of the castle were demolished. The land of the castle was turned into fields, with a school and a residential area. The Imitation Main Tower was built in 1975 after the excavation in 1973. Otaki Town has been promoting this castle as being built by the famous general, Tadakatsu Honda.

The Imitation Tower of Otaki Castle
The illustration of Tadakatsu’s helmet, exhibited by Otaki Castle Museum

My Impression

The Main Tower of Otaki Castle is temporarily closed (as of Oct22) as it needs repairs such as earthquake proofing. Otaki Town will operate it following Chiba Prefecture after the repairs. Castles that include Main Towers are indispensable to local cities or towns because they serve as symbol and facilities for tourism. I also recommend seeing the castle town street near Otaki Station, where some old merchant houses remain.

The Imitation Tower of Otaki Castle
Old merchant houses of the old castle town

How to get There

I recommend using a car when you visit the castle.
It is about a 30-minute drive away from Ichihara-Maizuru IC on the Ken-odo Expressway. You can park at the parking lot located under the Main Enclosure.
If you want to use public transportation, it takes about 15 minutes on foot from Otaki Station.
To get to Otaki Station from Tokyo: Take the Wakashio limited express and get off at Ohara Station and transfer to the Isumi Railway.

Otaki Station
The parking lot under the Main Enclosure

Links and References

Otaki Castle Museum

That’s all. Thank you.
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