特徴、見どころ
珍しく、美しい石垣
現在、徳島城跡は徳島中央公園として一般に公開されており、山上と平地両方の部分が含まれています。観光客は、一般的には最初は石垣と内堀に囲まれた平地部分を訪れます。徳島城の石垣は、大変珍しく且つ美しいものです。緑泥片岩(りょくでいへんがん)と呼ばれる深緑色の縞模様がある石を使って積み上げられているからです。これらの石は「阿波の青石」としても知られています。その上に石垣の一部は、これも「赤石」として知られる紅簾片岩(こうれんへんがん)が使われています。石垣に映えるこの緑と赤のコントラストは、ひと際美しく見えます。
城周辺の航空写真威厳ある城の入口
現存している城の建物はありませんが、城の正門である鷲の門が、1989年に復元されました。その門を後にしてから、下乗橋を渡って、黒門跡を通って、公園の中心部に入っていきます。黒門跡とその傍にある太鼓櫓跡の石垣は特に立派です。ここは大手門とされていたからです。石垣から内側の方には、花壇(お花見広場、バラ園など)、徳島城博物館、国の特別名勝に指定されている現存する御殿庭園など見どころがいくつもあります。石垣に囲まれた公園内の遊歩道を歩くだけでも楽しめます。
静かな雰囲気の山の上
山上部分に行ってみることもできます。この山は、現在は城山と呼ばれています。山頂への通路は現代的な石段が作られ、よく整備されているので、登っていくのはそれ程大変ではありません。山上の曲輪は空き地になっていますが、説明板を見ると、その曲輪の名前と、そこにどんな建物が建っていたのかがわかります。例えば、東二の丸には天守が築かれていました。頂上の本丸からは、徳島市街を眺めることができます。この曲輪にある弓櫓跡には、初代天守が建てられていました。山上部分の石垣は、平地部分のそれより、ずっと古いものに見えます。それは恐らく山上部分が平地部分より早く建設されたからでしょう。今日、山上部分を訪れる人は少ないように見えますが、静かな雰囲気を味わいたいのであれば、それもよいかもしれません。