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特徴、見どころ
麓の秀次居館跡
山麓には、秀次の居館跡もあります。もし、出丸にいらっしゃるのでしたら、最近開設された山道を下りて、居館跡に行くこともできます。もちろん、市街地側からもアクセス可能です。秀次の居館は、武士たちの居住地域の中でも、一番高い所にありました。その基礎部分は、巨石を使った石垣に囲まれて今も残っており壮観です。この場所で、金箔が押された瓦が発見されていて、秀次が住んでいたということがわかったのです。
城周辺の地図
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その後
八幡山城の歴史はわずか10年で終わりました。一方、旧城下町はその後も長く商都として繁栄しています。この城跡は、1962年にロープウェイが開業して以来、人気の観光地となりました。一方、山の急な地形のため、1967年のときなど崖崩れが時おり発生し、城跡が破壊されました。城跡を所有している近江八幡市は、保存や調査を行い、この地を史跡として整備するための準備を行っています。
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私の感想
秀次は、1595年に起こった事件の単なる犠牲者だったのでしょうか。そうは思いません。山形城の有力大名であった最上義光は、秀次の妻になるために京都に着いたばかりの娘をこの事件の処刑により失いました。義光は激怒し、豊臣家と袂を分かつことを決断します。他の多くの秀次と関係を持った貴族や大名たちが、罪を免れるため、秀吉の死後最終的に天下人となった徳川家康を頼りました。(その他秀次の家老であった駿府城の中村一氏、掛川城の山内一豊、浜松城の堀尾吉晴、岡崎城の田中吉政は、関ヶ原の戦いでは積極的に家康を支持しました)秀吉の勝手気ままな行動は、結果的に1615年の大坂夏の陣における徳川幕府の攻撃により、最愛の息子秀頼を含む豊臣家の滅亡を招いてしまったのです。
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ここに行くには
車を使う場合:名神自動車道の蒲生スマートICから約30分かかります。ロープウェイ乗り場の脇に駐車場があります。
公共交通機関を使う場合は、JR近江八幡駅から長命寺行きの近江鉄道バスに乗って、大杉町バス停で降りてください。そこから約5分のところです。または、駅からレンタル自転車を借りてもよいでしょう。
東京から近江八幡駅まで:東海道新幹線に乗って、米原駅か京都駅で琵琶湖線に乗り換えてください。
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リンク、参考情報
・八幡山城跡 滋賀県観光情報
・NPO秀次倶楽部
・「豊臣秀次―「殺生関白」の悲劇/小和田哲男著」PHP新書
これで終わります。ありがとうございました。
「八幡山城その1」に戻ります。
「八幡山城その2」に戻ります。