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ここに行くには
現代の岸和田城には、南海鉄道の岸和田駅か蛸地蔵駅から歩いていくことができます。蛸地蔵駅が一番近いのですが、岸和田駅から西の方に歩いて、岸和田駅南交差点を右折し、そして城見橋交差点を左折して行くと、その途中の岸和田市図書館のところに残る東大手門跡の石垣を見ていくことができます。この門は城の初期段階においては正門の扱いでした。また、図書館の入口と組み合わされているのも面白く感じます。両方の駅からのルートは平坦で行くのも簡単です。
城周辺の地図、青破線が岸和田駅から東大手門を通るルート、赤破線が紀州街道を通るルート
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しかし、ここでは敢えて遠回りして旧紀州街道や城下町を通っていくルートをお勧めします。どうしてかというと、この道を通ることで城と町がどうやって発展してきたかわかるからです。行きはここを通って、帰りに近い方のルートを選んではいかがでしょうか。もし紀州街道を経由するルートを選ばれたなら、岸和田駅前の商店街を街道に行きつくまで進みます。街道には昔ながらの雰囲気が残り、道沿いには伝統的な建物もあります。街道は意図的にジグザグに曲げられていて、もし敵が攻めてきたときには簡単に町に侵入できないようになっていました。城に近づくにつれ、街道が城がある所より低い位置を通っていることに気づかれるでしょう。現在の海岸線は遠いところにありますが、過去にはこの辺りが海岸線か、もしかすると海より低かったかもしれません。城に向かって緩やかな坂を登り大通りを渡ると、二の丸の見事な高石垣が見えてきます。
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なお、車で行く場合は、阪和自動車道の岸和田南ICか貝塚ICから約30分かかります。城の周りにいくつか岸和田市営の駐車場があります。東京から岸和田駅または蛸地蔵駅までは、東海道新幹線に乗って、新大阪駅で大阪メトロ地下鉄の御堂筋線に乗り換え、なんば駅で南海鉄道に乗り換えてください。
特徴、見どころ
城中心部へ通じる門跡
現在は、本丸と二の丸のみがオリジナルの石垣と水堀とともに残っています。本丸には復興された建物もあります。かつては、北大手門と西大手門が城下町側に開いていました。今では、北大手門があった所は岸和田市役所への入口となり、西大手門があった所は駐車場になっていて、となりにはだんじりホールがあります。ここから城跡に向かうことができます。その道すがら、門の石垣や基礎がいくらか残っているのがわかります。二の丸へは、この両側から堀を渡る土橋を通ってアクセス可能です。
城周辺の航空写真
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元本丸だったかもしれない二の丸
二の丸には御殿や、伏見城から移設されたと伝わる伏見櫓がありました。現在では観光交流センターなどの施設が建っています。この曲輪はかつては実際に、丘陵の端にあって海に臨んた位置にあったように見えます。また、この城がまだ小さかったころには、この曲輪が海を背にして、元は本丸という扱いだったとも言われています。こういうことを知ってみると、ここからもとは海だった市街地を眺めてみたいと思うのですが、その方向には高い垣根が巡らされていて、景色を見ることができません。
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