111.向羽黒山城 その2

向羽黒山城跡は広大な白鳳山公園の一部として整備されています。この公園には3つの山が含まれていて、城跡はその内の一つ、岩崎山にあり面積は50ヘクタールもあります。

特徴、見どころ

広大な自然公園の一部

現在、向羽黒山城跡は白鳳山公園の一部として整備されています。この公園は112ヘクタールもある広大な自然公園で、3つの山が含まれています。観音山、羽黒山、そして岩崎山です。城跡は岩崎山にあって、50ヘクタールあります。城跡も広大であり、フィールドアスレチック、遊歩道、休憩所など公園の設備が混在しています。そのため、ビジターは適切な案内なしには城跡の全てを見て回るというのは難しいかもしれません。

白鳳山公園の航空写真

事前に城跡の情報を得るために、「向羽黒ギャラリー」という名称のガイダンス施設に行ってみることをお勧めします。ただし、この施設は4月中旬から12月中旬までの週末及び休日しか開いていませんので注意してください。また、城跡自体に入れるかどうかも確認した方がよいでしょう。熊が出たときなどは閉鎖になります。いずれにせよ、これから城跡の概要をご説明しましょう。

向羽黒ギャラリー

向羽黒ギャラリーの脇の、北側の入口から公園に入っていくと、舗装された林道を通って、観音山と羽黒山を越えて、奥の方にある岩崎山上の城跡の方に行くことになります。車でも大丈夫ですが、ただし林道はとても狭いので、すれ違いに気をつけてください。

城周辺の地図

公園内を通る林道
向羽黒ギャラリーにある城跡のジオラマ、赤いラインが林道を示しています

広々とした三の丸

右側の方に公園の管理棟が見えてきたら、その周辺は城の三の丸となります。この曲輪は広々としていて、馬場として使われたと言われています。分厚い土塁と深い空堀が残っています。道の反対側には、北の丸と葦名盛氏の屋敷跡があります。

管理棟周辺
三の丸
三の丸の土塁
三の丸に残る空堀

次に道を登って行くと、左側にお茶屋場があって、ビュースポットになっています。ここは盛氏が茶会を開いた場所だと言われています。

お茶屋場
お茶屋場からの景色

城の中心部であった二の丸

更に進んで左側に弁天曲輪を見ながら、道に沿って右に曲がっていくと、右側に二の丸があり、左側に本丸がある場所に至ります。実はこの道路がある場所は、以前は両曲輪を分けていた堀切だったのです。

林道を進んでいきます
弁天曲輪
元はここが堀切でした
上記ジオラマで左側の峰が本丸、右側の峰が二の丸

二の丸は、山の峰の一つの頂上にあり、城の中心部たっだと考えられています。本丸よりも大きく、見晴らしもよいからです。また、直下には井戸曲輪もありました。二の丸の上に登ってみればそのことを納得できるでしょうし、そこでは会津盆地と若松城(以前の黒川城)を含む素晴らしい景色を楽しむことができます。

二の丸の上に登って行きます
二の丸の上
二の丸からの景色
若松城も見えます

二の丸の上から下って、曲輪の周りを歩いてみると、この城の真髄を見学できます。ほとんどが土造りではありますが、周り中が城の構造物だらけです。例えば、曲輪は土塁と空堀に囲まれていますが、部分的に石積みによって支えられています。曲輪の入口は、食い違いの土塁によってできていますが、大石も使われています。但し、ほとんどの石は崩れてしまっています。城を貫く通路も土造りなので、空堀のようにも見えます。

曲輪を囲む土塁と空堀
部分的に石積みによって支えられています
虎口(曲輪への入口)跡
周りに虎口に使われた大石が転がっています
城道跡

「向羽黒山城その3」に続きます。
「向羽黒山城その1」に戻ります。

投稿者: Yuzo

城巡りが好きなYuzoです。日本には数万の城があったといわれています。その内の200名城を手始めにどんどん紹介していきます。 I'm Yuzo, I love visiting castles and ruins. It is said that there were tens of thousands castles in Japan. I will introduce you top 200 castles and ruins of them, and more!

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