特徴、見どころ
城跡の入口
現在、湯築城跡は道後公園として整備されています。その公園のうち、西側と南側の部分が復元地区となっています。もともとは搦手門として使われていた西側の入口が、今では正面口のようになっています。外堀にかかる土橋を渡り、土塁の内側に入っていくと、中世城郭の中にいるように感じるかもしれません。その入口の近くには湯築城資料館があり、そこでは河野氏の歴史やこの周辺地が当初からどのように開発されてきたのか学ぶことができます。
城周辺の航空写真復元された武家屋敷
資料館に隣接する西側部分には、中級クラスの武家屋敷が、その前にある門と土塀とともに復元されています。屋敷の中に入ってみると、その内装までが復元されています。発掘によって、その屋敷のレイアウトが判明したからです。会所と呼ばれる部屋には、5体のマネキンがあり、城に住んでいた人たちが集まって句会を楽しんでいる様子が再現されています。一方、台所ではもう1体のマネキンが食事とお茶の準備をしています。
復元された武家屋敷はもう1棟あるのですが、内部は展示室になっています。その理由は、発掘調査は行われたのですが、その屋敷の元のレイアウトが確定できなかったためです(2案作られたのですが、1つに絞れなかったそうです)。
上級武士の居住地区
南側部分は、元は日本庭園と、上級武士の居住地区として使われていました。現在は、芝生によってその居住地区の範囲が示されています。丘の自然の岩場が今でも庭園があった場所に面していて、かつてはその庭園の借景であったのかもしれません。近くには、内堀が土塁とともに残っているので、こちらもご覧になってはいかがでしょう。
ユニークな土塁の展示室
土塁は外堀にも沿っても築かれていますが、その内部に土塁についての展示室が作られています。そこにはオリジナルの土塁から切り出した土層模型があり、土塁がどのように積まれたのかわかるようになっていて、その説明板とともに展示されています。この模型は、発掘が行われたときに実際に土塁から切り出されたもので、他の場所に土塁を復元する際の参考とされました。とても興味深い展示であり、これらの土塁の建設がいかに大がかりなものであったか理解できます。