特徴、見どころ
唐沢山神社として整備
現在、唐沢山城跡は唐沢山神社としてよく整備されています。多くの人たちが神社を訪れ、何かをお祈りしたり、ハイキングをしたり、素晴らしい景色を楽しんでいます。最近では、神社に住み着いた人懐こい猫たちを見に来る人も多いです。ここにいる猫たちは、もとは野良猫か捨て猫だったようで、ここでボランティアやビジターのよって養われています。
もちろん、ここにある史跡を見に来る人もいます。山麓から山頂へは、城があったときと同じように、南側と西側の2方面から向かいます。補足すると、現在の道は車道とハイキングコースがそれぞれ設定されているので、少なくとも都合4つのルートがあります(実際にはもっと多くのハイキングコースがあります)。
唐沢山周辺の地図現在と過去のルート
方面は一緒でも現在の道筋は、城時代のオリジナルのものとは違っています。例えば、2方面から来る舗装された車道は、山頂の駐車場の前で合流します。しかし南側から来る道の一部は、現在も残る「鏡岩(かがみいわ)」の近くで、かつては岩によって塞がれていた場所でした。オリジナルの道はこの岩の前で合流し、ジグザグの道を伝って大手門に向かっていました。
大手道沿いの見どころ
駐車場から大手門跡に入っていくと、石垣によって典型的な食い違いの虎口があります(この石垣には実際には明治時代に築かれたか、修繕されたそうです)。大手道は門の内側を中心部に進みますが、その左右にも見どころがあります。右側(南側)には天狗岩という別の巨岩があって、過去には物見台だったのでしょうが現在では素晴らしい見晴台になっています。左側(北側)には避来矢山(ひらいしやま)という丘があるのですが、その名前は佐野氏が先祖の藤原秀郷から受け継いだ鎧(敵の矢を避けることができるという云われがある)から由来しています。したがって、そこも防衛拠点であったのでしょう。
城周辺の地図大手道をまっすぐ中心部の方に進んでいくと、左側に「大炊井戸(おおいのいど)」という大きな井戸が見えてきます。直径は9mあり、深さは8m以上で、今も水が湧き出ています。城跡には他の井戸もあり、かつての長い籠城戦にも耐えられるようになっていました。次には四つ目堀という名の長大な空堀があり、ここから先が城の主要部となります。神橋(しんきょう)というコンクリート製の固定橋のみが堀を渡っています。この橋はもとは曳橋で、戦いが起こったときには外されたと言われています。上杉謙信がここまで攻めてきたが撃退されたとも言われています。
4段の主要曲輪群
大手道は神社の参道にもなっているのですが、城の主要部の右側を通っていきます。その主要部は4段の曲輪群から構成されています。下の方から、腰曲輪、三の丸、二の丸、そして本丸です。特に、三の丸はその中では最大で、かつては接客のための応接間があったと言われています。三の丸へは脇道を通って行きます。参道にはオリジナルの大手道との分岐点があって、まっすぐ参道を行けば本丸にある神社への石段下に着きます。そこを左に曲がっていくと、二の丸の方に行きます。城巡りに来た方であれば、左の方に曲がってください。右側の方に本丸の素晴らしい石垣が見えてきます。