特徴、見どころ
どこまでも続く遺跡群
車でも、歩いてでも谷に沿って一乗谷城跡を訪れたなら、道の両側にどこまでも続くような住居跡を目にしてきっと驚かれることでしょう。この地域の278ヘクタールもの範囲が、一乗谷朝倉氏遺跡として国の特別史跡に指定されています。また、この遺跡から発掘された2,300を超える遺物が重要文化財に指定されています。
城周辺の航空写真遺跡の両端では、城戸跡も見学することができます。下城戸跡には、巨石を使った食い違いの入口が今に残っています。この入口は、まさに城門そのものです。上城戸は、1990年に復元されており、全長105m、高さ5mの土塁となっています。
戦国時代の町並を復原
発掘の成果により、遺跡の中心部では約200mに渡って当時の町並が復原されています。その町並の通りに立ってみると、本物の中世都市にいるような感じがします。
復原された住居の中に入ってみることもできます。例えば、商家の中では、商人のマネキンが陶器のようなものを売っています。
武士の館では、男性のマネキンが居間で将棋に興じています(「酔象」と呼ばれる今では使われていない駒があり、「朝倉将棋」と呼ばれています)。また、台所では使用人のマネキンが料理の準備をしています。これらの展示物は、現地で発見された遺物、他の地域に現存している絵画資料や建物をもとに復原されています。
中心部にある朝倉氏館跡
復原町並から一乗谷川を挟んだ反対側にある朝倉氏館跡にも行ってみましょう。この館は一乗谷では最大の建物で、朝倉氏の当主が住んでいました。館跡は約120m四方で、現在も土塁と水堀により囲まれています。ここには正面に唐門があります。これは、館が炎上した後、江戸時代になって館跡に建てられた松雲院(しょううんいん)の門が残っているものです。館跡とこの寺の門は、お互いを引き立てているように思います。
館跡の内部では、それぞれの建物があった位置が平面展示されていて(主殿、会所、台所、厩舎など)、かつてどのような建物があったのか理解できるようになっています。
現役の特別名勝である庭園群
ここには、朝倉氏の一族の館跡もあります。その上に、その館周辺には4つの朝倉氏の庭園があり、1991年以来国の特別名勝に指定されています。16世紀そのままの姿で出てきた庭園が、現在の人々をも魅了しているということであり、驚くべきことです。
例えば、朝倉氏館跡の上の方にある湯殿跡庭園(ゆどのあとていえん)は、荒々しい岩が組み合わされ作られています。この庭園の雰囲気は、戦国時代さながらだ言われています。
諏訪館跡庭園はもともと、朝倉義景の妻(小少将)のために築造されたと言われています。巨石を使ったとても美しい池泉庭園です。この庭園で最も大きな石は、日本の池泉庭園の中でも最大のものと言われています。