特徴、見どころ
二の丸に向かう
二の丸は、本丸の南側にあり、ここも石垣と土塁両方に囲まれています。土塁の部分に食い違いの入口があり、古い時代から搦手門として使われていたようです。
城周辺の地図
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他にも、奥書院と呼ばれる城主(久野氏)の居所となった御殿が、もとは三の丸にあったのですが、現在になって町役場の近くに復元されています。
その後
明治維新後、田丸城は廃城となり、城の全ての建物は売却されるか撤去されました。城跡は1928年から公有化され、1953年からは三重県の史跡に指定されています。玉城町は、将来国の史跡に指定されるよう、城跡の調査を行っているところです。
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私の感想
信雄が秀吉に改易される前、彼は織田氏の当主として、織田氏がもともと本拠としていた尾張国を領有していました。歴史家は、彼が尾張国から転封となることを断ったがために全てを失ったのだと言っています。しかし私は、秀吉は信雄が何と言おうがその領地を取り上げるつもりであっただろうと推察します。秀吉が、小田原城の北条氏に対して行ったことと同じということです。秀吉は、彼の親族・部下たちにもっと多くの領地を与えたかったのです。
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その後信雄は生き方を変え、僧となりました。恐らく彼の中では武士であることを止めたのではないでしょうか。彼の最後の領地である小幡では、領地の大きさの関係から城を築くことは許されませんでした(よって彼の居館は陣屋と呼ばれました)。彼が築いた広大な庭園、楽山園とは対照的です。田丸城と楽山園は、信雄の生き方の変遷をとてもよく表していると思います。
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ここに行くには
車で行く場合:伊勢自動車道の玉城ICから約10分のところにあります。玉城町役場の駐車場を使うことができます。
公共交通機関を使う場合は、JR田丸駅から歩いて約10分かかります。
東京から田丸駅まで:東海道新幹線に乗って、名古屋駅で関西本線に乗り換え、亀山駅で紀勢本線に乗り換えてください。
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リンク、参考情報
・田丸城跡 見どころ、玉城町
・「英傑の日本史 激闘織田軍団編 織田信雄/井沢元彦著」角川学芸出版
・「織田信雄 狂気の父を敬え/鈴木輝一郎著」人物文庫
・「よみがえる日本の城16」学研
・「日本の城改訂版第26、30号」デアゴスティーニジャパン
これで終わります。ありがとうございました。
「田丸城その1」に戻ります。
「田丸城その2」に戻ります。