特徴、見どころ
他の曲輪群
それ以外には、出丸と呼ばれる小さな曲輪が本丸から川に向かって突き出ています。その鋭い様がとてもかっこよく見えます。かつては城の外部を見張るために使われました。このため、出丸周辺からの熊野川一帯の景色はとても素晴らしいです。
城周辺の地図また、松ノ丸からの道が通れるときには、そこから下って水ノ手郭に行くことができます(松ノ丸からの通路が閉鎖されているときには、川沿いの方から行けます)。この場所は近年発掘され、現在「備長炭」として知られる木炭の交易路として使われていました。この辺は発掘後、ビジターが歩いて回れるよう整備されました。
もう一つの見どころは、丘の麓に残っている二ノ丸の石垣です。二ノ丸の内部は幼稚園として使われていますが、外側の石垣は見学できます。今は周辺が市街地となっている中でもひと際目立っています。その石垣の角部分は、算木積みという手法で長方形に加工した石が交互に積み上げられており、これも見ものです。
その後
新宮城は、明治維新後廃城となりました。城の全ての建物は撤去されました。そしてその結果、城跡は民間所有となったのです。1952年には鐘ノ丸に旅館が開業しました。他にもケーブルカー(日本一短いケーブルカー路線と言われました)やビアガーデンなどが本丸に作られました。本丸の大きな改変は、恐らくそのときになされたのでしょう。1980年に新宮市が城跡を買い取り、公園としました。新宮市は、2003年に城跡が国の史跡となって以来、調査や保存を進めています。また、将来城の建物を復元することも検討しています。
私の感想
新宮城跡は、優れた史跡としての潜在能力を持っていますし、それはもうすぐ実現するでしょう。ただ、新宮市にはビジターに対してやることがたくさんあるとも思うのです。少なくともまず、城跡としての遺物とそれ以外のものを明確に区別する必要があります。ビジターに城がどのようであったのか理解してもらうためです。そして、次に城跡関連のものを、良好な状態で保存することです。そのくらいは建物を復元する前にやってほしいです。城跡の状況が改善したら、是非また訪れてみたいです。
ここに行くには
車で行く場合:熊野尾鷲道路の熊野大泊ICから約40分かかります。公園の東側入口から本丸に行く中腹部分に駐車場があります。
公共交通機関を使う場合は、JR新宮駅から歩いて15分のところです。
東京から新宮駅まで:東海道新幹線に乗って、名古屋駅で特急南紀号に乗り換えてください。
リンク、参考情報
・新宮城跡(丹鶴城跡)、新宮市観光協会
・「よみがえる日本の城1」学研
・「日本の城改訂版第60号」デアゴスティーニジャパン
これで終わります。ありがとうございました。
「新宮城その1」に戻ります。
「新宮城その2」に戻ります。